小周天の注意点

小周天を行う上で、特に小周天で陽気を一周させるあたりまでに悩まされる問題を解決する注意点をまとめてみます。

胃腸の不調

小周天を始めると、武息や肛門の締め上げなど「腹部に圧力」をかける機会が増えるので、胃腸の調子を乱しやすくなることがあります。

基本的には、「無理をしない」「胃腸の調子が良くなる食生活を徹底する」ことが大切ですが、意外に大きいのが「ストレス」「怒り」です。

ストレスで胃に穴が……というのは多分に比ゆ的な表現で実際にはそこまで至ることはあまりないはずですが、それでもストレスを受け続けると胃腸に「違和感」を感じやすくなるのではないでしょうか。あるいは、「怒り」が沸きあがってきた時、胃腸に痛みや「無理」な圧力がかかるような感じになることはないでしょうか?

こうしたストレスや怒りによる胃腸のダメージは、「習慣」によって蓄積されかねません。ストレスはある程度仕方のない部分があるでしょうが、まずは「自ら沸き起こす怒り」に注意してみましょう。

ふと「許せない出来事」「恨みを抱いている人」のことが思い浮かんだ時、どうしますか? その時の「状況」を思い浮かべさらには自らの「攻撃理論」を頭の中で繰り返すことで、「怒り」を沸き起こしてはいませんか?

しばらくの間、自分の中に沸いてくる「想い」を見つめてみると、自ら怒りを沸き起こす方向に「誘導」していることに気がつくかもしれません。そんな時は、その怒りによって自らの体に何が起きるか、観察してみてください。
「胃の痛み」「不快な圧力」を感じるのであれば、それは確実に胃腸を、さらには全身の「気」を乱すことでしょう。小周天(の補助的な呼吸や動き)で物理的なストレスを加え、さらに精神面の圧力までかけ続ければ「病気」になるのも当然ですね。


頭から降りた気が掴みにくい

陽気を頭に上げて温養すると、質が変わり「温度」や「圧力」が消えます。小周天の後半では、この質が変わった気をおろしていくわけですが、その際に顔の辺りにはほとんど感覚がないまま首や胸に気の塊のようなものが出てくることがあります。

こうした状況になったら、気の塊はとりあえず無視してまずは眉間(いわゆる第三の目)に意識を集めてみましょう。うまくいくと、文字通りの「第三の目」のように渦を巻いたり何かが集まってきて蠢くような感覚が出てきます。

こうした「気の感覚」が集まってきたら、改めて「下」へおろしてみてください。今度は、顔の少し奥の方を何かが這っていったり痺れるような感覚が「流れていく」のがわかると思います。

最初のうちは、なるべく途切れない「気の流れ」を生み出し意識で追っていけるようにしたいところですね。


眼精疲労

眼精疲労は、小周天の大敵です。私も長時間パソコンを使う日が多いのですが、やはり目が疲れた状態では陽気の「勢い」が抜けたような感じになって小周天もやりにくい。

特に最初のうちは、なるべく「パソコンを使い続けない日」を作るようにしてその日に集中的に小周天や気功をやってみるのも良いでしょう。

パソコンを使い続けて疲れてきたら、太陽の光を浴びながら散歩するとある程度回復します。少し歩いて、公園など緑のある場所で一休み。その際、軽く目を閉じて顔を太陽に向けながら全身に太陽の「陽気」を浸透させてみてください。