足腰を鍛えてパワーアップ

気の感覚に重点を置く練気功でも、武術的な硬気功に相当する部分は、かなり「きつい」負荷で鍛えます。負荷をかけて気血を集め高める気功で超人的な「パワー」を練っていく。
その硬気功で中心になるのが「馬歩」、「足腰」を鍛える型ですね。

歩幅を保ち背中を直立させた状態で腰を落とす馬歩は、運動選手の典型的な筋肉トレーニングである「スクワット」に近いものです。ただ、スクワットよりもある意味でさらに「きつい」負荷を足(特に太腿)にかけて、限界に近い状態にまで追い込んでいきます。

そうまでして足腰を鍛えるのはなぜか。それは、足腰が「体力」の源泉だからではないでしょうか。気功で生み出される「力」は、生命力、文字通りの意味での体力が「元」になっています。足腰を「無理」とすら言える状態で一気に鍛えることで、超人的なパワーを得るわけです。

もちろん、普通に気功をやる分にはきつい馬歩を続ける必要はありません。というより、むしろ健康を損なうリスクが高い(武術的な)馬歩は避けるべきでしょう。ただ、できれば足腰を鍛えておくと、気功の「内なる力」を高め、健康にも役に立つはずです。

練気功では(無理のない範囲での)馬歩が有効ですが、日常生活でもなるべく「足腰を鍛える」ことを意識してみましょう。それによって、気功の源泉である体力を高め健康を維持しやすくなると思います。

私がやってみて特に有効だったのは、「自転車」ですね。それも「高いギア比でドロップハンドル装備」の自転車による高速走行です。ロードレーサーでも良いのですが、純粋なロードレーサーだと路面の影響を受けやすく扱いにくいので、私は耐久性に優れ太目のタイヤで安定した高速走行を維持できるシクロクロスに乗っています。

高めのギア比で空いた道を一気に高速走行で駆け抜ける……そんな走り方をしていると、目に見えて「足が太くなる」のが、さらに「体力が充実してくる」のがわかるでしょう。「自転車で速く走れるようになる」のが第一なら、最初は軽めの負荷で「早くまわす」のが基本なのですが、足腰に負荷をかけて鍛えるのであれば、高めのギア比の方が良いかもしれません(ただし、高負荷での走行は膝や背中を痛めやすいので注意)。

日常的に「数kmの移動」が多いのなら、シクロクロスなどちょっと本格的なスポーツ系自転車の導入を検討してみてはいかがでしょうか。気功や健康面の利点はもちろん、実用性、経済性の面でも非常に優れた移動手段です。