精力増強のための食事

小周天は、「精」を練って「気」に変えていく錬精化気の行ですので、気の源泉となる精を高める必要があります。最も重要なのは言うまでもなく小周天を続けることですが、日常においても「精を高める生活」を意識してみるとよいでしょう。

まずは、精を高める食事を考えてみることにします。錬精化気における「精」は、いわゆる「精力」そのものです。簡単に言えば、性的なものも含めた体の力、体力・活力ですから、一般的な言い方としても「精が付く」食事ということになるでしょうか。

精力を高める(精が付く)食材

ニラ/ニンニク

精の付く食材として多くの人がまず思い浮かべるものは、ニラやニンニクではないでしょうか。スパイス/香味野菜として広く使われているニラやニンニクですが、スタミナ食材の代表でもあります。

漢方では、ニラ(葉野菜としての韮菜)は温の性質を持ち強壮や保温効果のある薬草とされています。大量に食べやすく副作用も比較的起こりにくいので、日常の食生活でも無理なく活用できるのが利点でしょう。

一方のニンニクも、同様に温の性質を持つ強壮剤です。ただ、ニラに比べてやや刺激が強い、そして何より「臭い」の問題もあって「平日の食事」では躊躇する、という人も少なくないですね。好みもありますが、苦手という方は「普段より少し多め」で試してみるくらいでよいかもしれません。

私も、よくニラやニンニクと豚肉を炒めて食べます。この場合は、食事全体が滋味というか「栄養」たっぷり、といった感じになるので確かに「熱」を高めるという意味では、有効なようです。いずれも油との相性が良いので、中華料理のような「炒めてから煮込む」系統の料理で活用したいところです。

仙道のようなパワー系神秘行では「定番パワーアップ食材」とも言えるニラ/ニンニクですが、そのパワー(強精効果)故に禅(精進料理)ではタブーとされています。仏教系の修行に興味をお持ちの方は、「要注意」かもしれませんね。

納豆

隠れた(?)強精食材としては、納豆も一部で根強い支持があるようです。いわゆる「ネバネバ食品」に対する強精イメージもあるのでしょうが、強精あるいは健康効果は確かにあるように感じます。

私も本格的に仙道修行に取り組むときは納豆を中心にした食事にすることが多く、ある意味では「修行食」ですね。強精効果自体はニラ/ニンニクほど「すぐに実感」できるわけではありません。ただ、(神秘行に適した)体調を整えるという意味での「修行食」としては、「玄米+納豆(+野菜の味噌煮)」が基本になっています。