小周天の影響

小周天は、心身に大きな影響を与えます。その影響の中には、いわゆる超人的な能力の開発につながるようなものもあれば劇的な体力の向上、病気の回復といったものも含まれることがあるでしょう。
ただ、小周天の「効果」が出始める頃には、体調が一気に不安定化し、文字通りの気の状態を病む「病気」になるかもしれません。異常な熱感、倦怠感、漠然とした不安……そうした「症状」が出てきて、しばらく、場合によってはずっと続くことになるのです。

もっとも、小周天を志す人にとっては他の人から見れば病的な現象であっても、むしろ待ち望んだ「修行の成果」ということもあるわけですが。

小周天を始めてまず実感する影響は、非日常的な圧力と流れを伴う「熱」でしょう。陽気が巡りだすと、すぐに体が「燃え上がる」ようになります。もちろん、実際に炎に包まれるわけではありませんが、腹部や背中に渦巻きのような流れ、圧力を伴った膨大な「熱」が湧き出すようになるのです。

瞑想で小周天をやっているときではなく日常の中でも、ちょっとしたきっかけ、あるいは何もなくてもいきなり膨大な熱が沸いてくる、あるいは爆発的に広がって駆け巡るようになるでしょう。

ただ、この熱はその強烈さの割には無害です。全身にかなりの暑さを感じるようにはなりますが、直接的な熱中症のような被害を与えることはあまりないと思います。むしろ真夏の暑さの中でこの熱に包まれると、体が「陽気の場」で包まれるおかげか「外の暑さ」が気にならなくなるようですね。
もちろん、真冬にこの状態になると、氷点下の中でも寒さを感じなくなります。私は以前東北北部に住んでいましたが、真冬日に吹雪の中を歩くようなときには、意識的に陽気を湧き上がらせるようなことをしていましたっけ。そうすると、寒さを感じなくなるどころか少し汗ばむくらいでした。