気功と太極拳

中国の伝統武術として発展してきた太極拳。20世紀の半ばに、国をあげて「現代的」な太極拳を編纂し普及させる取り組みが行われ、その結果「簡化24式太極拳」と呼ばれる初心者向けの太極拳が普及しました。

公園で人々が太極拳を行う姿は、中国を象徴する風景にもなっていますね。そして、その横では樹木に向かって気功で静かに気を練る人もいたりして。
職場や地域(公園)単位で、ボランティアの指導者がつく太極拳サークルがあったりとかなり恵まれた環境のようです。

簡化24式太極拳は、健康法としての効果を重視しわかりやすく編纂が行われてはいますが、その根底にあるのは気功と同じく「気を整える」中国医学の伝統的な発想です。実際、太極拳の入門書にある数々の注意点はそのまま気功にも当てはまるものが多いですし、太極拳を続けるうちに気功と同じような「気の感覚」も出てきます。

気功を中心に「修行」する人なら、まずは簡化24式太極拳を取り入れてみてはいかがでしょうか。ゆったりとした動きで「気の流れ」を整える太極拳には、適度な運動効果もあるので、気功の偏差を防止するのにも有効でしょう。

早朝の「生きた」気に満ちた時間帯、公園や川原でゆったりとした太極拳で体の「流れ」を作ってから気功や瞑想に取り組めば、より「気の流れ」を作りやすくなるはずです。

また、太極拳に取り組む人たちは「中国的な気の文化、健康法」への関心が高く気功もやっている場合が多いでしょう。交流の場に参加すれば、太極拳を通して新しい仲間を見つけることもできるかもしれません。